季節の変わり目におこる頭痛
BLOG 2021年5月14日
台風が近づくと頭痛がする、雨が降ると古傷が痛むなど、天気の影響で体の不調を感じたりする人。
私もそのうちの一人です。
こうした不調は、その人がもともともっていた症状が気象要素に影響されて現れることで起こるので、「天気痛」といいます。
天気痛の症状は、頭痛、神経痛の悪化、めまい、肩こり、首痛、腰痛、眠気、耳の症状、気分の落ち込み、うつ、不安症など多岐にわたります。
主な要因としては、気象要素の中でも特に気圧の変化が天気痛の大きな引き金になっていたりするようです。
台風や雨といった低気圧が体の不調に影響を及ぼしているのは、気のせいではなかったのです。
夏から秋にかけての台風シーズンや、寒暖差の大きい春先から梅雨にかけての時期は、気圧の変化も大きいので、天気痛が起こりやすいといえるでしょう。
天気痛はどのようなメカニズムで起こるのでしょうか?
人は体の平衡感覚を耳の奥の「内耳」でつかさどっています。この内耳の気圧センサーが気圧の変化を感知する際に過剰反応すると、その情報が脳に伝わって自律神経のバランスが乱れ、様々な不調を引き起こしてしまうのです。
つまり、内耳が敏感な人ほど気圧の変化によるストレスが大きく、天気の変動による不調が起こりやすいのです。
天気痛の症状を訴えて受診する患者さんは、女性が多数。受診者のおよそ3分の2は女性で、そのうち一番多い年齢が40代となっています。
その理由として、女性のほうが男性と比べて自然への感受性が高く、自然の影響を受けやすいことが考えられます。
女性ホルモンの影響で片頭痛もちが多いことも、女性に天気痛が多い理由です。
さらに更年期の不定愁訴には頭痛、肩こり、うつなどの天気の影響を受けやすいものが多く、更年期世代の女性にも天気痛の訴えが高い確率で見られます。
天気痛には予兆が見られることも多く、例えば台風が来る直前に体調変化が起こる人、台風通過中に起こる人など、不調の起こるタイミングは人それぞれです。
こうした天気と体調の関係、自分なりのパターンを把握することが大切。体と天気の関係を知るには、1カ月程度、「痛み日記」をつけるとよいでしょう。
日記には次の6項目を記入しておきましょう。
①天気、②気圧、③体調の変化、④痛みの強さ、⑤運動、⑥睡眠
本当に天気に影響されているのか、どのタイミングでどんな症状が起こるのかなどが分かれば、対処法を見つけていくことができます。
例えば、頭痛薬(鎮痛剤)は痛みを感じたら早めにのむのがポイントですから、あらかじめ用意しておくこともできるでしょう。
理由の分からない頭痛は、もしかしたら「天気痛」かもしれません。
心当たりがある人は、痛み日記で天気と体調の関係をチェックしてみてください。